トラックの種類

街で見かけるトラックには沢山の種類があるが、トラックの車体は、運転席、シャシー、荷台の3つで構成されているのが基本だ。

運転席はキャビンとも呼ばれる。シャシーとは、トラックの骨組みの部分を指す。荷台とは、トラックの運転席の後ろにある箱型の部分などを指す。大まかに言ってトラックの種類は、トラックの荷台部分の違いによるものが多い。

トラックの種類

代表的なトラックの種類を簡単にご紹介する。

平ボディ

平ボディとは、荷台の部分の屋根がない形(軽トラみたいな形)のトラック。シャシーに荷台が載せられただけのトラックだ。大きさは積み荷の量によって小型トラック・中型トラック・大型トラックに分けられる。中型の平ボディの場合、積載量は概ね4トン以上、大型の平ボディの場合、11~15トンの最大積載量が見込める。

平ボディの荷台を囲った枠の部分は、「あおり」と呼ばれ、フラットに開くことが出来る。開き方によって分類され、「三方開」や「五方開」などがある。平ボディは、あおりの高さが40センチほどしかないため、大きな荷物を積むときには、荷崩れや落下防止の為、ロープやシートを使って固定する必要がある。

平ボディの車体の高さは、高床、低床、超低床などがある。(メーカーによって名称は異なるかも知れない)荷台の素材は、鉄、アルミ、木などいろんな材質がある。荷下ろしの方法は、人力やフォークリフトによって行う。荷台にクレーンがついているものや、パワーゲートが装備されているものもある。

アルミウィング

アルミウィングとは、トラックの荷台部分の、箱の材質がアルミで出来ており、側面が鳥の翼のように上に開く形のトラックを指す。荷物が積みやすく、効率的に荷物を積むことが出来る。荷箱で荷物を覆うので、雨や埃、直射日光、落下などから荷物を守り、安全に運ぶことが出来る。

アルミウィングは積み荷によって、小型トラック、中型トラック、大型トラック、増トン車と呼ばれるものまで種類が沢山ある。運送業、宅配業、引っ越し業者など様々な分野で活躍している。車体がアルミで出来ているので軽量の為、沢山の荷物を積むことが出来る。

アルミウィングのウィングの開き方には、フレキシブルオープンタイプ、ターンオーバータイプ、上昇開閉タイプがある。ウィングの開閉には電動モーター又は油圧式となっている。アルミウィングの仲間に、「冷蔵・冷凍ウイング」がある。

クレーン付きトラック

クレーン付きトラックは、トラックの荷台にクレーンが装備(荷台内架装型(簡易クレーン))されている、又は運転席と荷台の間にクレーンが装備(キャブバック型)されている車である。重い荷物を吊り上げて積み下ろしをする。吊り上げ可能重量は、クレーン検査の不要な3トン未満のものが主流だ。最近のものはラジコン(無線)でクレーン操作できるものが主流となっている。

クレーン付きトラックは、クレーンの分類では、移動式クレーンのトラッククレーンに分類される。車の運転席(キャビン)とクレーンの操縦席が別に分かれているものをトラッククレーンと呼ぶ。クレーン付きトラックは、ユニック車とも呼ばれるが、それは「古河ユニック」という建設機械メーカーが生産するクレーン付きトラックの名称が、ユニッククレーンだったためだ。

車体の大きさは、小型トラック、中型トラック、大型トラック、増トン車と呼ばれるものまで種類が沢山ある。クレーンの竿の部分はブームと呼び、長さは3~7段である。

高所作業車

高所作業車は、高い場所で人が作業を行えるように、人を乗せる箱(作業床)が昇降する機能がついた車だ。高所作業車とは、以下の条件を満たす特殊車両である。リフト車とも呼ばれる。高所作業車は、レンタル会社が提供していることが多い。

  • 2m以上の高さに上昇できる作業床(作業員が作業時に乗る場所)を持ち、昇降装置、走行装置等により構成される。
  • 作業床の上昇、下降などに人力以外の動力を使用する。
  • 不特定の場所に自走できる。

街中でよく見かけるのは、クレーン付きトラックのブームの先端に、人が乗って作業する作業床がついている高所作業車だ。用途としては、電力や電話会社の電気配線などの整備・保守、信号機や街灯などの保守、高層ビルのガラス清掃、道路の標識の設置、監視カメラや防犯カメラの設置やドラマや映画の撮影など多岐にわたる。

高所作業車には、自走式(一般道の走行は不可)、トラック式(トラッククレーンのこと)、クローラー式(タイヤ部分がクローラーになっているもの)、タイヤ式のものがある。作業床の昇降部分の形式は、シザース式、垂直マスト式、直進ブーム式、屈折ブーム式などがある。

冷蔵冷凍車

冷蔵冷凍車の荷台の外側はアルミやFRPパネルで出来ており、太陽光による庫内の温度上昇を防ぐため、太陽光を反射する白い塗装がされていることが多い。庫内の内側には、ポリウレタンなどの断熱材を使っていることが多い。断熱材の厚みによっては庫内をマイナス25度くらいまで冷却することが可能だ。

冷蔵冷凍車の主な冷却方式は、機械冷凍式といって、家庭のエアコンのような仕組みになっている。具体的にはエンジンから直接コンプレッサーを稼働させて冷却する。エンジンの稼働方法は2つあり、ひとつはエンジン直結式と、もうひとつはサブエンジン式だ。

エンジン直結式は、車を動かすエンジンを庫内を冷やす冷却にも使う。エンジン直結式の場合、信号などで車のエンジンが止まると冷蔵冷凍庫の冷却も停止してしまうというデメリットがあるが、最近はスタンバイ機能といって、リチウムイオンバッテリーを搭載し、車が停止しても冷却機能は維持できる車もある。

サブエンジン式とは、冷蔵冷凍車を冷やす専用のエンジンが車のエンジンとは別に装備されている車のこと。サブエンジン式の場合、エンジンが2つあるので燃費が悪くなることと、車の重量が重くなるため、積載量が少なくなるというデメリットがある。

パッカー車

パッカー車とは、ごみ収集車のことを指す。塵芥車、清掃車、集塵車とも呼ばれる。パッカー車の容量は2トン前後のものが多く、1回に収集できるごみの量は1~1.5トンと言われている。最近のパッカー車は収集したごみの重量を計測できるようになっている。パッカー車のごみの回収方式には3つあり、プレス式、回転板式、荷箱回転式である。

プレス式とは、車のタンク部分の底と前壁の2段階でごみを圧縮する方式で、非常に強力な為、家具などの粗大ごみでも粉砕して収集することができる。ごみの排出方法は、内側にある排出板で押し出す方式だ。

回転板式は、2枚のプレートで、「反転、かき込み、押し込み」を行う。圧縮力は弱めなので、家庭ごみや剪定ごみなどに向いている。回転板式のパッカー車はほとんどがダンプカーのように荷台を上げてごみを排出する方式だ。

荷箱回転式は、円形のドラムが回転しながらごみを収集する。汚水が飛び散らないなどのメリットがある。ごみを排出するときは荷台を傾け、ドラムを逆回転させて排出する。

穴堀建柱車

穴堀建柱車とは、トラックの荷台にクレーンが装備されている車の中でも、クレーンのブームの先端に掘削スクリューがついているタイプの車だ。スクリューで地面に穴を掘り、クレーンで電柱を吊り上げ、地面に建てるための作業車だ。スクリュー部分のことをオーガといい、沢山の種類のアタッチメントがある。

穴堀建柱車の中にはバイブレーター機能を持つものもあり、オーガについた土を振るい落とすこともできる。穴堀建柱車のサイズは小型トラック、中型トラック、増トン車などがあるが、大型トラックはない。穴堀建柱車は、レンタル会社が提供していることが多い。

ミキサー車

ミキサーはコンクリートミキサー車、生コン車、アジテータトラック、レディミクスト車など様々な呼び名がある。荷台部分に円筒状のミキシング・ドラムを装備した車で、ドラム内に生のコンクリートを収納し、生コンが固まらないように撹拌しながら輸送することができる。ミキシングドラムの内部には、ミキシングフレーム(ブレード)と呼ばれる渦巻き状の撹拌装置がある。

ミキサー車は、隊列を組んで移動することが多いので、無線機を備えている車が多い。大きさは、2トン車~10トン車まである。生コンは工場で練り混ぜてから到着現場まで90分以内に荷下ろしが出来ないといけないので、工事現場までの道のりや、必要な生コンの量によって車のサイズを使い分ける。とりわけ10トン車の人気が高い。

ミキサー車の構造は、ホッパ(生コンの投入口)、ドラム、ステップ(ホッパへのはしご)、シュート(排出の際につかう滑り台のようなもの)、水タンク(荷下ろし後にタンク内を洗浄する水を貯めておく)、操作レバーとなっている。現場で生コンを荷下ろしするときは、ドラムを逆回転させて排出する。

ダンプカー

ダンプカー、ダンプトラックは、主に砂利や土砂を運搬する用途の車である。トラックの荷台が荷下ろしの際に傾斜するようになっていて、大量の土砂を一気に積み下ろすことが可能だ。積載量11トンまでのダンプはダンプトラックと言い、公道を走ることが出来る。それ以上の大きなダンプは、重ダンプトラック又はオフロードダンプ、マンモスダンプと呼ばれる。

荷台の傾け方によって名称が変わる。リアダンプ(荷台を後方に傾ける)、サイドダンプ(荷台を左右の側面に傾ける)、三転ダンプ(荷台を後方又は左右の側面に傾ける)、リフトダンプ(高いところに積み荷を降ろす)。

ローダダンプ(荷台の床が後方にスライドする)、ダンプトレーラー(荷台を牽引するタイプの車両)、ダンプクレーン(荷台にクレーンが装備されている)、Lゲートダンプ(荷台がフラットになるタイプの車両)など、ダンプカーには他にも沢山の種類がある。

アームロール車

アームロール車は、トラックのシャシー部分に油圧式のアームが備え付けてあり、荷台のコンテナ等を自力で脱着できる。フックロール、マルチリフト、ロールリフト、脱着装置付きコンテナ専用車、脱着ボディーシステム車など様々な呼称がある。

この車はメーカーの商品名が通称になったものが多く、アームロールは新明和工業、フックロールは極東開発工業、マルチリフトはカーゴテック、ロールリフトはイワフジ工業である。

アームロール車の脱着の仕方は、アームの先端に装着されているフックを、コンテナについているフックに引っ掛けて引き上げて荷台に載せ、ロックしてコンテナを荷台に固定する。降ろすときは、アームを伸ばして車体後方にコンテナを降ろすか、コンテナを傾けてダンプのようにコンテナ内の内容物を排出する。

コンテナの脱着はリモコンで操作する。ワイヤレスリモコンのものも出回っている。大きさは軽トラックからフルトレーラーまで様々なサイズのものがある。

トレーラーセット

トレーラーセットとは、トラクターとトレーラーのセットのことを指す。車の後方の荷物を積む部分のことをトレーラー(被けん引車)と呼び、それ単体では自走することが出来ない。トレーラーを引っ張る車の部分はトラクター(けん引車)と呼ぶ。トレーラーセットにはセミトレーラー方式とフルトレーラー方式がある。

国内で最も使用されているのはセミトレーラー方式だ。セミトレーラーは、トラクターの後ろのカプラという装置にトレーラーのキングピンという装置をつなげて連結する。セミトレーラー方式のトラクターには荷台がなく、トレーラーに荷物を積んでけん引することで輸送する。セミトレーラーの全体の長さはおよそ16.5m以下だ。

一方フルトレーラー方式は、トラクターに荷台があり、その荷台にトレーラーを積み、さらに後方にトレーラーをけん引して輸送する。トラクター部分は普通の貨物自動車と同じ構造をしており、トラクター単体でも荷物を輸送することが出来る。フルトレーラーの全体の長さはおよそ18m以下だ。

セルフローダー

セルフローダーとは、油圧ショベルやブルドーザーなどの公道を走れない重機等を運ぶ車だ。その他にも、新車や故障した自家用車の輸送にも使用される。セルフローダーはトラックメーカーのタダノの商品名だ。セルフローダーは運転席の後ろの下の部分に車の荷台を持ち上げるジャッキ(アウトリガー)があり、荷台の運転席側を上に持ち上げ、荷台の後ろを下げて傾けて重機などを積載し易くなっている。

荷台後方と地面との間の隙間をつなぐ板をアユミ板といい、自動式と手動式のものがある。重機などを積載しやすいように、ウィンチや簡易クレーンなどを装備しているセルフローダーもある。

セルフローダーに似ている車種にセーフティーローダーやダンプローダーなどがある。セーフティーローダーは荷台がスライドするようになっており、ダンプローダーは、荷台を持ち上げるダンプアップ機能と荷台をスライドさせる機能を併せ持つ。スライドダンプとも呼ばれる。

タンク車

タンク車は、タンクローリーとも呼ばれる。ローリーとはイギリス英語でトラックという意味だ。タンク車は主に石油や液化天然ガス(LNG)などの液体を運ぶ。

タンク車は、運搬する貨物によって3つに分類される。

種 類 分  類
危険物ローリー 消防法で定められている危険物(石油、劇薬など)を運搬する
粉粒体運搬車ローリー 小麦粉、グラニュー糖、畜産業で使用する飼料、セメントや化学薬品など、非危険物の運搬をする
高圧ガスローリー 高圧ガスを運搬する

圧力がかかった高圧ガスローリーは、強度が求められるので真円形の形をしている。一方の危険物ローリーや粉粒体運搬車ローリーは楕円形であることが多い。これは液体を積むと重心が不安定になるので、重心を低くするために、楕円形になっている。

タンク車には、燃料タンク車、消防ポンプ車、給水タンク車など種類が沢山ある。保冷・保温機能や、冷却・加熱装置がついたタンクもある。タンクの素材は、鋼、アルミニウム、ステンレス、チタンなどがある。

バンボディ

バンボディとは、荷台が箱型になっているトラックだ。パネル車、箱車とも呼ばれる。箱の材質は、アルミニウム、鋼などがあり、軽くてさびにくいアルミでできたアルミバンが最も多く生産されている。箱の板部分は、素材板のみの場合はドライバン、断熱材を挟んだものは保冷バンと呼ばれる。大きさは軽トラックから大型トラック、増トン車まで沢山のサイズがある。

後ろの開閉扉は、観音開き、シャッター式などがあり、側面にドアがあるタイプのバンもある。パワーゲートが装備されている車もある。アルミバンの箱の内側は、主にベニヤ板で作られていることが多い。アルミバンの庫内は、荷物を積むだけでは輸送中に動いてしまい、荷崩れの危険性が考えられる。それを防ぐにはラッシングレールを取り付け、ラッシングベルトで荷物を固定する。

バンボディのトラックは、荷箱で荷物を覆うので、雨や埃、直射日光、落下などから荷物を守り、安全に運ぶことが出来る。

積載車

積載車とは、自動車や重機などを運ぶ車のことを指す。キャリアカー、車両運搬車、車載専用車、ローダー、トランポなどとも呼ばれる。積載車は、公道を走らせたくない新車・中古車などの、ディーラー間での輸送や、オークション会場への輸送などの場で活躍している。積載車の全長は19mかつ、車の積載台数は6台までと道路法で定められている。但し、岩手県・宮城県・静岡県・愛知県・福岡県の5県は特別申請が認められており、8台まで積載可能となっている。

積載車の荷台には荷台を操作するウィンチが装備されていて、荷台やウィンチは油圧で動く仕組みとなっている。積載車は大きく分けて一台積み型と複数台積み型とに分類される。

種 類 分  類
ローダー 1台の車を積載して輸送する。トランポとも呼ぶ。
単車 2~5台の車を積載して輸送する。
トレーラータイプ 最大6台まで積載可能。セミトレーラーとフルトレーラーがある。

レッカー車

レッカー車は、駐車違反や事故車、タイヤのパンクなど、そのままでは自走させることが出来ない車を、他の車の交通の妨げにならないように、他の場所に移動するための車である。

国土交通省よるとレッカー車とは以下のとおりである。

  • 自動車の車輪を吊り上げるための装置及び吊り上げた車輪をその状態に保持して固定し、移動させることができる設備を有すること
  • 物品積載設備を有していないこと

レッカー車は、主にアンダーリフト&レッカーブーム、アンダーリフト&クレーン、ブーム・アンダーリフト一体型の3つに分類される。アンダーリフトとブームが一体型のものをインテグレート、独立したものをインデペンデントと呼ぶ。

レッカー車の使い方としては、アンダーリフトで、車(被けん引車)の前輪を持ち上げ固定、後輪をドーリー(滑車)に載せて固定して運ぶ。車が側溝などに落ち込み、そのままではレッカー移動できない場合、クレーンで持ち上げ、車を一度道路に戻してからけん引作業を行う。

バルク車

バルク車とは、石灰やペレット(プラスチックの原料)、小麦粉や肥料などの粉粒状の原料を運ぶ車である。ホッパー車、エア車、バルクローリー、粉粒体運搬車などとも呼ばれる。積み荷はタンクの上のマンホールと呼ばれる蓋を開けて入れ、荷下ろしは、圧縮した空気をタンク内に送り、粉粒体が空気と混ざり、ホースを通って排出される。

バルク車は、排出方法などによりいくつかの種類がある。

種 類 分  類
エアレーションブロー式 荷下ろしの時は、エアコンプレッサーやブロワーなどから圧縮空気を送り粉粒体を流動化させ、排出バルブを開けて圧力された空気とともに排出させる。
エアスライド式 タンクの底にあるエアスライドキャンバスの布目から吹き出すエアにより、粉粒体を流動させ、タンクの排出口に集める。セメントなどの流動性のよい原料を運ぶ。
セミトレーラ トレーラーセットの項目を参照。
ダンプ併用式 主に小麦粉や砂糖など食品原料を運ぶときに使用する。ダンプ機構でタンクを傾斜させ、積荷を後方へ排出する。排出バルブは一個。
飼料運搬車 養鶏、養豚などの家畜飼料を専門に運ぶ。積み下ろしは、飼料サイロ上部の投入口に、スクリューコンベアで運び上げて行う。

車のサイズは、中型トラック(4t)から大型トラック(10t)までいくつかの種類がある。タンクの内部は1つの部屋のものや、複数の部屋に分かれているものがある。複数の部屋状になっているタンクは複数の原料を一度に運ぶことができる。